2025/12/06
PX277PROの電源ケーブルをDC延長したかったけれど、安全性を優先して諦めた話
1. 現時点での結論(暫定)
- PX277PROのDC側(アダプタ → モニター)の延長は、安全面と入手性の両方から諦めた。
- コネクタ形状が一般的な5.5mm系ではなく、センターピン付きの大径タイプで、市販の延長ケーブルが合わなかった。
- 24V / 5.5A(132W)という高出力を考えると、合うかどうか分からないDC延長ケーブルを何本も試すのはリスクが高い。
- 最終的な方針は「DC側は純正のまま、AC側(100V側)を延長してアダプタの位置を動かす」。
「モニターアームに合わせて電源ケーブルもスッキリ延長したい」という目的はそのままに、
安全に倒す(=安全性を優先して選択肢を絞る)ためにDC延長は撤退、というログです。
2. 検討背景(なぜ調べているのか)
環境
- モニター:Pixio PX277PRO(27インチ / WQHD / 165Hz)
- 取り付け:モニターアームを使用
- 接続方式:外部ACアダプタ(24V / 5.5A)+DCケーブルでモニターに給電
問題
- 純正のDCケーブル長だと、
- アームを前後左右に動かしたときにケーブルが突っ張る。
- 配線をきれいに隠そうとすると、ケーブルに余裕がなくて怖い。
- できれば、
- 「アームを目いっぱい伸ばしてもケーブルに余裕がある」
- 「デスク裏の配線もスッキリ」 を両立したい。
最初に思った解決策
- 単純に考えると、
- アダプタからモニターまでのDCケーブルを延長できれば良さそうに見える。
- Amazonには「DC延長ケーブル」「5.5×2.1mm オス メス」といった商品がたくさんあるので、
- 「この中から太めの高負荷対応ケーブルを選べば解決では?」と考えて調査を開始した。
3. 試したDC延長ケーブルと結果
購入したケーブル
まずは、スペック的に余裕がありそうなDC延長ケーブルを1本購入して試した。
- 商品名(要約)
1.5m DC延長コネクタ 18AWGケーブル 負荷電流12A DC延長ケーブル 5.5mm × 2.1mm 銅芯 loyouve - 主な仕様
- コネクタ:5.5mm × 2.1mm(オス ⇔ メス)
- ケーブル:18AWG
- 連続給電の最大負荷:12A以下推奨
PX277PROのアダプタは**24V / 5.5A(132W)**なので、
- 許容電流12A
- 18AWGケーブル
という仕様であれば、電気的には十分余裕があると判断した。
実際に接続を試した結果
実際に届いたケーブルを使ってみたところ、
- Pixio純正アダプタのオス側プラグを、
- Loyouveケーブルのメス側ジャックに挿そうとしても、
まったく物理的に刺さらなかった。
手元の写真で比較すると、
- 今回買った5.5×2.1mmプラグは「細い棒」くらいの太さ。
- 対してPX277PROのDCプラグは、
- 外径が明らかに太く、
- 中央にセンターピンが立っているタイプだった。
この時点で、
「そもそもPX277PROのDCプラグは、よくある5.5×2.1mm/5.5×2.5mmとは別物」
ということがはっきりした。
4. PX277PROのDCプラグが特殊だった話
アダプタやプラグを観察して分かったことを整理すると、以下の通り。
アダプタ側の情報
- 型番:FJ-GN218024005500(ラベル表記)
- 出力:24.0V / 5.5A
- 極性:センタープラス(+が内側)のDC出力
プラグ形状から分かったこと
- プラグの構造
- 外側の金属筒+内側のセンターピンという構造。
- 一般的な「5.5×2.1mm」「5.5×2.5mm」のDCプラグは、
中が空洞でセンターピンは立っていないことが多い。
- 定規を当ててざっくり測った限り、
- 外径は6mmを超えているように見える。
- 感覚としては、ノートPC用の太いバレルプラグに近い。
つまり、
「PX277PROは、センターピン付きの大径DCプラグを使っている」
というところまでは分かったが、
- 正確な規格名(○○mm × ○○mm)
- その規格に対応した「オス⇔メスの延長ケーブル」
を、市販の汎用品から特定することはできなかった。
5. DC延長を諦めた理由(安全性と入手性)
5.1 規格が分からないまま試すのは危険
- コネクタ規格があいまいなまま、
- それっぽい変換アダプタや延長ケーブルを何本も買って試すのは、
- 単純にお金がもったいないだけでなく、安全上のリスクもある。
- 特にセンターピン付きプラグは、
- 「外径は合っているように見えるけれど、ピンの長さや位置が合わない」 といったパターンもあり、接触不良やショートの原因になりやすい。
5.2 電力が重い(24V / 5.5A / 132W)
- PX277PROのアダプタは最大132Wクラス。
- DC側で延長する場合、
- ケーブルの太さ(AWG)
- 許容電流
- 電圧降下 を真面目に考えないといけない。
想定される問題は大きく2つ。
- 発熱・発火リスク
- 細いケーブル(20AWG以下など)に5.5Aを流すと、
発熱して被覆が柔らかくなる・最悪溶ける可能性がある。
- 細いケーブル(20AWG以下など)に5.5Aを流すと、
- 電圧降下による不安定動作
- DC24Vを長く引き回すと、ケーブル抵抗によって電圧が下がる。
- 結果として、
- 画面が一瞬ブラックアウトする
- 高リフレッシュレート時に不安定になる
- 起動時に落ちる などのトラブルにつながりやすい。
5.3 複数の情報源を調べた結果、方針が一致した
- 複数の専門的な情報源を調べたところ、
- 「このクラスのセンターピン付き大径プラグは、汎用延長ケーブルの流通がほとんどない」
- 「24V / 5.5Aという条件でDC延長をやるのは、かなりリスクが高い」
- 「AC側で延長し、アダプタ位置を動かすのが現実的な解」 という見解で一致していた。
自分で調べた結果とも合っていたので、
「安全のためにDC延長は撤退する」
という判断をした。
6. 方針転換:AC側(100V側)で解決する
やりたいことは変わらない
- 目的はあくまで
- 「モニターアームを自由に動かしてもケーブルに余裕がある」
- 「デスク周りの配線をスッキリさせたい」 というところ。
新しい構成案
DC延長を諦め、次のような構成で組み直す方針にした。
- ACアダプタの位置をモニター寄りに寄せる
- モニターアームの支柱やポール部分に、
- 結束バンド
- 面ファスナー(マジックテープ) などでACアダプタ本体を固定する。
- モニターアームの支柱やポール部分に、
- 延長するのはAC側だけ
- 壁コンセント → 延長コード or クランプ付き電源タップ → ACアダプタ
- ここは100V側なので、
- 電圧降下の影響が小さい
- 家電向けのPSE取得済み延長コードがたくさんある
- DC側は純正ケーブルをそのまま使う
- アダプタからモニターまでは、メーカー想定の太さ・長さのケーブルをそのまま使用。
- モニターアームの可動範囲に合わせて、余裕を持ったループを作り、 ケーブルクリップやスパイラルチューブでまとめる。
この構成のメリット
- 安全性
- DC側は純正のままなので、電圧降下や発熱のリスクが少ない。
- AC側の延長は、PSEマーク付きの延長コードやタップを選べばよい。
- 入手性
- 長さや形状(クランプ式タップ・マグネットタップなど)を含めて選択肢が豊富。
- 柔軟性
- 将来モニターを買い替えても、AC側の配線は流用しやすい。
7. 気付きメモ(今後のチェックポイント)
今回の試行錯誤で、自分用にメモしておきたいポイント。
- 外部ACアダプタを使う機器を買うときは、
- DCプラグが汎用的な5.5×2.1mm系かどうかも、今後は地味にチェックしたい。
- 「モニターアーム前提で使うモニター」は、
- 電源・映像ケーブルの取り回しまで含めて考えないと、後から地味に困る。
- DC延長は、
- 「電圧が低く」「電流も小さい機器(ルーター・LEDテープなど)」ならまだしも、
- 24V / 5A超えクラスでは、よほど自作に慣れていない限り触らない方が安全。
8. 暫定的な結論と今後やること
暫定結論
- PX277PROのDC側延長は諦めて正解だったと思っている。
- 「安全に倒す」ことを優先すると、
- コネクタ規格が分からない高出力機器でDC延長に手を出すメリットは薄い。
- 代わりに、
- AC側延長+アダプタ位置の工夫で、
- 配線の自由度と安全性を両立させる方針に切り替えた。
今後やること
- デスク裏のレイアウトを再確認して、
- どこにクランプ式タップを付けるか
- アダプタをどの位置に固定するか を決める。
- 実際に配線を組み直したら、
- before / after の写真付きで
- 「PX277PRO+モニターアームでの配線例」として別記事 or 追記を書く。
9. まとめ
- Pixio PX277PROの電源ケーブルをDC側で延長しようとして、
- 5.5×2.1mm・18AWG・12A対応の延長ケーブルを購入したが、
- コネクタ形状が合わず、そもそも物理的に刺さらなかった。
- プラグ構造を調べた結果、
- PX277PROはセンターピン付きの大径DCプラグを採用しており、
- 24V / 5.5Aという高出力もあって、
- 市販の汎用DC延長ケーブルで安全に対応するのは難しいと判断。
- 最終的には、
- DC側延長は諦めて、AC側を延長しアダプタの位置をモニター寄りに移動するという方針に確定した。
- 同じように「モニターアーム導入で電源ケーブルが足りない」人は、
- まずAC側の延長と電源タップの位置見直しから検討するのが、安全で現実的だと思う。